FC2ブログ
わんこら日記
甘くて切ない日記。わんこら式数学の勉強法、解説記事

東京大学2014年度理系第6問軌跡の問題の解説
今日もスヌーピーのご加護のもと東京大学2014年度理系第6問軌跡の問題の解説をします。

[問題]
2017043011044039c.jpg
座標平面の原点をOで表す。
線分y=(√3)x (0≦x≦2)上の点Pと、線分y=(-√3)x(-2≦x≦0)上の点Qが、線分OPと線分OQの長さの和が6となるように動く。このとき、線分PQの通貨する領域をDとする。
(1)sを0≦s≦2をみたす実数とするとき点(s,t)がDに入るようなtの範囲を求めよ、
(2)Dを図示せよ。


[解答と解説]
(1)
20170430110440114.jpg
まずはP(p,(√3)p),Q(q,(-√3)q)とおけるな。
それでOP+OQ=6やろ。
これで2p-2q=6やから、p-q=3ですね。

と言うことで直線PQは

y=(√3)((p+q)/(p-q))(x-p)+√3p
=((2p-3)x-2p(p-3))/√3

傾きが(2p-3)/√3,切片-2p(p-3)/√3みたいやな

p=1のときはy=-(1/√3)x+4/√3
p=2のときはy=(1/√3)x+4/√3
p=0のときはy=-(√3)x

ってy=(√3)x上に指をそっと置いてPをツー…ってだんだん奥に向かってじゃなくて、Oに向かってなぞっていったら-2≦q≦0やのにp=0でq=-3やから

途中で

ガっ!って止まるねん。


だから今度はy=(-√3)x上に指をそっと置いてQをツー…ガっ!

って何回も何回もやっていたら

20170430110440400.jpg

終らないパーティーがはじまります。


どういうことやねん。


こうやって軌跡の問題具体的に入れていっても、難しいことが多いねんな。

そこで三つやり方を紹介しようか。

20170430110440ecc.jpg

1、だから僕は独立変数と従属変数にわけて同値変形して文字を消去する。(逆像法、逆手流のこと)

2、文字固定

3、接線を考える


1からやりますね。

まずは条件を全て式に表すねん。
20170430110441b4d.jpg
P(p,(√3)p),Q(-q,(√3)q)とおいて
0≦p≦2,0≦q≦2
OP+OQ=6よ2p+2q=6⇔p+q=3
線分PQ:y=((√3)p-(√3)q)/(p-(-q))・(x-p)+(√3)p
-q≦x≦p

これで条件を羅列して

p+q=3
t=√3(p-q)/(p+q)・(s-p)+(√3)p
0≦p≦2,0≦q≦2
-q≦s≦p
0≦s≦2

これからp+q=3を使ってq=3-pを全部に代入して同値変形してq消去やな

q=3-p
t=((2p-3)s+2p(3-p))/√3
0≦p≦2,0≦3-p≦2
-(3-p)≦s≦p
0≦s≦2

これで下の4つを満たしておけばqはq=3-pによって自動的に決まっていくから、後はqのことは考えなくてよくなるねん。

これがほんまに文字消去やねん。

20170430110656e9a.jpg
そしたら今度はpを消去するためにpについて整理しよか。
pについて整理するってことはpについて解くようなもんやからな。

q=3-p
2p^2-2(3+s)p+(√3)t+3s=0
max{1,s}≦p≦2
0≦s≦2

これでpが存在するような(s,t)を求めて、解の配置問題に持ち込んどこか。

イメージとしては(s,t)の定義域を求めて、pが二次方程式の解で自動的に決まっていく感じやな。

f(p)=2p^2-2(3+s)p+(√3)t+3s
とおいてy=f(p)がmax{1,s}≦p≦2でp軸と共有点を持てばええやろ。

f(p)=2(p-(3+s)/2)^2+(√3)t-(s^2+9)/2

これで定義域のふるまいと、最大値と最小値考えて定義域の軸との関係で場合分けをしないとあかんから
軸(3+s)/2が1となるのはs=-1,(3+s)/2が2となるのはs=1
max{1,s}が切り替わるのはs=1
軸(3+s)/2が1≦p≦2の中点(1+2)/2と等しくなるのはs=1
と言うことはs=-1とs=1が切りかわりで場合分けするところになりそうやな。

201704301106570f6.jpg

厳密にはsp平面を考えて
右の端点p=2と左の端点p=max{1,s}とその中点p=(左+右)/2の3つのグラフ
軸p=(3+s)/2のグラフを書いて場合分けしたらええねん。

そしたら0≦s≦1で中点≦軸≦右、1≦s≦2で右≦軸ってわかるな。

(i)0≦s≦1のとき
定義域は1≦p≦2
(中点)=3/2≦(s+3)/2=(軸)≦2
よって
最小値(√3)t-(s^2+9)/2≦0
最大値f(1)≧0
これを整理して
-(1/√3)s+4/√3≦t≦(s^2+9)/(2√3)

(ii)1≦s≦2のとき
定義域はs≦p≦2で
(軸)=(s+3)/3≧(1+3)/2=2

だから最小値f(2)≦0
最大値f(s)≧0
これを整理して(√3)s≦t≦(s+4)/√3

(i)(ii)より

-(1/√3)s+4/√3≦t≦(s^2+9)/(2√3) (0≦s≦1)
(√3)s≦t≦(s+4)/√3 (1≦s≦2)

(2)
20170430110658e71.jpg
これであれやな。
後はy軸対称になるはずやから(1)のグラフを描いてy軸で折り返します。


そしたら次は

2、文字固定でやってみよか
20170430110700fde.jpg
t=((2p-3)s+2p(3-p))/√3
max{1,s}≦p≦2
ここまで同じですね。

これでsを固定して
t=1/√3(-2(p-(s+3)/2)^2+(s^2+9)/2)

max{1,s}≦p≦2からsと1との大小関係で場合わけして
(i)0≦s≦1のとき
1≦p≦2で
(軸)=(s+3)/2≧3/2=(中点)
(軸)=(s+3)/2≦(1+3)/2=2
より図から
軸から遠いp=1が最小値、-(1/√3)s+4/√3
頂点で最大値、(s^2+9)/(2√3)
だから
-1/√3+4/√3≦t≦(s^2+9)/(2√3)
20170430110718f12.jpg
(ii)1≦s≦2のとき
s≦p≦2で
(軸)=(s+3)/2≧(1+3)/2=2から
単調増加でp=sのとき最小値t=(√3)s
p=2で最大値t=(s+4)/√3


と言う感じで後は同じやな。

1と2の解き方は、この問題についてはほぼ同じようにはなるな。

20170430110701fda.jpg
最後に3、接線を考える。

こっちは若干怪しいような気もして、1や2の方が満点狙いやすいと思うんけど

3の接線はとにかく瞬殺できるのが強いねん。


0≦p≦2かつ0≦3-p≦2より1≦p≦2で
t=((2p-3)s+2p(3-p))/(√3)でf(s)=((2p-3)s+2p(3-p))/(√3)とおいて
これをpで平方完成するねん。

f(s)=-2/(√3)・(p-(s+3)/2)^2+(s^2+9)/(2√3)

f(s)-(s^2+9)/(2√3)=-1/(2√3)・(s-2p+3)^2

で右辺が(s-2p+3)^2の因数を持つからst平面において、直線PQ:t=f(s)と二次関数t=(s^2+9)/(2√3)にs=2p-3で接することがわかるねん。
2017043011072057f.jpg
よって1≦p≦2でp動かすと接点のs座標は-1≦s≦1と動くねん。

そうやって接点を-1から1まで動かすように接線を動かしたら出来上がりやな。

こっちはかなり場合分けして処理が面倒な問題でも、瞬殺で終わることがあるねんな。

時間なければ、これで解いてしまってええかもしれん。

東京大学の入試の数学の過去問の解説

同値変形による式や条件の処理の仕方(東大対策)

関連記事

テーマ:大学受験 - ジャンル:学校・教育

▲ページトップへ
この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→https://wankora.jp/tb.php/4845-51a49ca6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
▲ページトップへ
プロフィール

わんこら

Author:わんこら
京都大学理学部を数学専攻で卒業した数学と物理講師

現在、東京で働いています。

わんこらチャンネル
チャンネル登録お願いします

かずスクール
で数学を教えてます。

わんこら式数学の勉強法
数学の勉強方法や仕方を説明

わんこらメルマガ←毎週、わんこら式についての記事をメルマガで書いています。
まずは→わんこらメルマガ サンプル号を読んでください
noteでの購読は→こちら

詳しいプロフィール


メッセージはこちらへ
メール
迷惑メールにされる危険性があるので出来るだけ
kazuyuki_ht○guitar.ocn.ne.jp
(○を@にしてください)に送ってください


リンクはばりばりのフリー
一言メールくれれば相互リンクします。


カテゴリーと名作集
読者に受けが良かった記事を集めてたり、今までの記事をカテゴリー別にまとめてます。



水と空気と街並とからだ
中学時代からの親友てつろうのブログ。
今年、滋賀医科に合格した医学生です。

リンク集
リンク集はこっちです。

このブログは携帯でも見られます。

カテゴリー

メール

リンク

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2カウンター

月別アーカイブ

ブログ内検索

RSSフィード