今日は√(ax^2+bx+c)の積分に罪を背負っていたのでまとめたいと思います。
東大理系、回転体を平面で切ってできた立体図形の体積
積分と極限の問題…東京大学2011年度理系第三問の解説
京大理系乙、∫[0,2]{(2x+1)/√(x^2+4)}dxと15段の階段を昇る昇り方
こうやって10年くらい前から√(ax^2+bx+c)型の積分を解説してきたけど、納得がいかなくて昨日寝れられくて書きました。
それ全然気にしてないやろ。
そしたらax^2+bx+c=0の判別式をDとします。
aの正負で場合分けしてDで場合わけするねん。

○a<0の時
・D>0の時
√(1-x^2)の積分はx=sinθと置くと言う有名な話のやねん。
平方完成して
ax^2+bx+c=a(x+b/2a)^2+(4ac-b^2)/4a
で(4ac-b^2)/4aは正になるからな。
それでsinθやcosθに置換したらええねん。
・D≦0の時
これは√(ax^2+bx+c)の√の中が常に0以下やから積分する区間なくてそんな問題出ないねん。
つまりa<0では平方完成してsinθ,cosθやな。
○a>0の時
・D=0の時は
√(ax^2+bx+c)=√(a(x-α)^2)
=(√a)|x-α|
でただの一次の積分になるけど√はずすときに絶対値になることは注意やな。
・D≠0の時
これはなD>0であろうがD<0であろうが
√(ax^2+bx+d)+(√a)x=tと置換するねん。
もうこれだけでええねん。
もうこれがやな!
他には√の中は簡単な場合だけ書きますが
a>0として
√(x^2+a^2)はx=a(e^t-e^(-t))/2
√(x^2-a^2)はx=a(e^t+e^(-t))/2とか置換しても結構うまくいきます。
ただx=atanθやx=a/sinθも出来るけど、計算は厳しくなることが多いわ。
それと√(x-α)(β-x)はx^2はt=√(x-α)/(β-x)と置換する方法もあるけど、理論上
(tの整式)/(tの整式)つまり有理関数やけど、これは分母が0になるような置換やったり、計算が複雑になったりとかもして大学受験では使いにくいわ。
まあこれはx^2の係数が負やから、平方完成してsinθとかcosθやな。
と言うことで練習問題を用意してみました。
もうおっさんになってきて、練習問題を用意するねちっこい性格になってきてん。
もう10年前のわんこらはいないねん。

やってみてください
解説も書いてるから見てください。

(1)はよくやるかもしれんけど、一応√cos^2θ=|cosθ|で積分区間からcosθの正負は考えて絶対はずすのは注意ですね。
ただこの問題は実際にはグラフを描いて、円の面積を使って求めてくれたらええわ。
(2)これはグラフを描いても円の面積とかではできないから
まさにsinθとかに置換することで求められる感じやな。
(sinθ)^2の積分は2倍角使って(1-cos2θ)/2と変形して積分したらええけど
∫(sinθ)^2dθ=θ/2-(sin2θ)/4
∫(cosθ)^2dθ=θ/2+(sin2θ)/4
と覚えてパっと使えば積分レベル7くらいですね。
(3)これはx^2の係数が負やから平方完成してsinθやcosθに置換です。
ただ実際にはこの場合はグラフ書いて、半円の面積ってことですぐに出してください。

(4)これはD=0で√(x^2-2x+1)dx=√(x-1)^2=|x-1|
で絶対値を忘れないようにな。
(5),(6)これはx^2の係数が正やから√(x^2+1)+x=tに置換です。
ただ結構この後の流れも重要で
√(x^2+1)=t-xで両辺二乗してxについて解きます
x=(t^2-1)/2t
これでdx=(t^2+1)/2t^2dtと求めて、被積分関数√(x^2+1)=t-x=t-(t^2-1)/2t=(t^2+1)/2tと言うこの流れやな。
この流れは練習してください。

ここでx=(e^t-e^(-t))/2とおいた置換やx=tanθの置換も書いておきます

(7)√(x^2-2x)もx^2の係数が正やから
√(x^2-2x)+x=tと置換ですね。
後は同じようにやりますが、xの項があるだけに少し大変やな。
ただ最初から平方完成して
√((x-1)^2-1)となるからx-1=sといったん置換しておけば
√(s^2-1)になってこれで
√(s^2-1)+s=tと置換したらもっとさっきと同じような感じになるわ。
ここからはまたおっさんが何か言うてるなって感じで適当に読んでくれたらええねんけどa>0のとき
√(x^2+a^2)はx=a(e^t-e^(-t))/2
√(x^2-a^2)はx=a(e^t+e^(-t))/2とか置換しても結構うまくいく話は
sinh(t)=(e^t-e^(-t))/2,cosh(t)=(e^t+e^(-t))/2
(cosh(t))^2-(sinh(t))^2=1
の関係を使ってるという意味ではa<0ではsinθ,a>0ではsinhθに置換とも整理出来るねん。
さらに言うとsint=(e^(it)-e^(-it))/2i,cost=(e^(it)+e^(-it))/2iの関係から複素数まで拡張して
sinz=(e^(iz)-e^(-iz))/2i,cosz=(e^(iz)+e^(-iz))/2i
としても
(cosz)^2+(sinz)^2=1になってるやろ。
これで
isinh(t)=sin(it),conh(t)=cos(it)となってるから
(cost)^2+(sint)^2=1から(cos(it))^2+(sin(it))^2=1で(cosh(t))^2-(sinh(t))^2=1と言う関係にもなっていて色々見えてきましたね。
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