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わんこら日記
甘くて切ない日記。わんこら式数学の勉強法、解説記事

東京大学2018年度理系第6問、空間図形の体積の問題の解説
ユンケル飲んでむせる季節がきました。
東京大学2018年度理系第6問、空間図形の体積の問題をやりたいと思います。

[問題]
20181101041923350.jpg
座標空間内の4点O(0,0,0),A(1,0,0),B(1,1,0),C(1,1,1)を考える。1/2<r<1とする。点Pが線分OA,AB,BC上を動くときに点Pを中心とする半径rの球(内部を含む)が通過する部分を、それぞれV_1,V_2,V_3とする、
(1)平面y=tがV_1,V_3双方と共有点をもつようなtの範囲を与えよ。さらに、この範囲のtに対し、平面y=tとV_1の共通部分および、平面y=tとV_3の共通部分を同一平面上に図示せよ。
(2)V_1とV_3の共通部分がV_2に含まれるためのrについての条件を求めよ。
(3)rは(2)の条件をみたすとする。V_1の体積をSとし、V_1とV_2の共通部分の体積をTとする。V_1,V_2,V_3を合わせて得られる立体Vの体積をSとTを用いてあらわせ。
(4)ひきつづきrは(2)の条件をみたすとする。SとTを求め、Vの体積を決定せよ。


[解答と解説]
(1)そらもう空間図形はイメージ力やろ

20181101041924dba.jpg

と図を描こうとしていくと
この重なったところはどうなるんやとかやってたら

20181101041926d6b.jpg

ネコミミつけてこんなわけわからんことになります。


ちゃうねん、空間はイメージ力ちゃうねん。
しかも美術みたいにデッサンできたとしても別に積分できて体積求められるわけでもないやろ。

2018110104192864e.jpg

共通部分と軌跡が問題になってるわけやけど

共通部分の断面も共通部分のイメージをして断面を考えるんじゃなくて、先にそれぞれの断面を考えてから共通部分をとるねん。

1,それぞれの断面を描く
2,断面同士の共通部分を考える


立体の軌跡の断面も立体の軌跡をイメージして断面を考えるんじゃなくて、先に断面を考えてからそれを動かして軌跡を考えるねん。

1,断面を描く
2,断面の軌跡を考える


そしたら具体的にやってみると

V_1のy=tにおける断面は
201811010419296a1.jpg
球が点Pにあるとき方程式は
x^2+y^2+z^2=r^2をy=tで切ると
x^2+t^2+z^2=r^2⇔x^2+z^2=r^2-t^2
で-r≦t≦r
となるやろ。

この半径√(r^2-t^2)の円が中心PがOからAに動かすねん。


まあこれは軌跡のほうについてはイメージしやすいかもしれんけどな。

同じようにV_3のy=tにおける断面は

20181101050055ff4.jpg

(x-1)^2+z^2=r^2-(t-1)^2で-r+1≦r≦r+1
となりますね。

点Aは両方に含まれてるから要するに両方とも点が存在するように
-r≦t≦rかつ-r+1≦t≦r+1であればオッケーですよね

つまり-r+1≦t≦rやな。

これでそれぞれの断面を考えたから、これらをあわせるねん。


2018110104202823a.jpg
半径の大きさで場合分けしたいですね。

√(r^2-t^2)^2-√(r^2-(t-1)^2)^2=-2(t-1/2)やからt=1/2がポイントですね。
-r+1≦t≦1/2ではV_1の半径が大きくて,1/2≦t≦rの時はV_2の半径が大きいねん。

そういうように図を描いたらええわ。

(2)まさに断面を考えてから共通部分とか考えるやつやな。
20181101042030162.jpg
tの範囲は0<r+1でr<1やからtはそもそも0<t<1にあるねん。
と言うことはV_2のy=tの断面は中心(x,z)=(1,0)で半径rで結構簡単やねん。
(1)からV_1とV_3の共通部分はとんがってるところQ_t(1-√(r^2-(t-1)^2),√(r^2-t^2))が(1,0)から一番遠いからこれが半径rに入ればええねん。
と言うことで計算して
r^2≦2(t-1/2)^+1/2
でこれが-r+1≦t≦rとなるすべてのtで成立すればいいけど、この定義域の中点は1/2でt=1/2はこの定義域に入ってるから最小値を考えて
r^2≦1/2やったらええねん。
まとめて1/2<r≦1/√2

(3)
20181101042031a96.jpg
Sはこういうやつやろ。
V_1とV_2の共通部分Tはこうややろ。

でもV_3もこの共通部分に食い込み天使やろと考えてると頭おかしくなってきて

20181101042032a45.jpg
37歳のおっさんが
いぬいぬ、わんわんわん
とか言うて児童たちに突っ込んでいって捕まることになります。


みんなはオレみたいな苦労はして欲しくないねん。


これは図形は関係なくて、もっとシンプル化した集合の関係だけでもええねん。

概念化するねん。

20181101042124e3a.jpg

そしたらV_1とV_3の共通部分がV_2に含まれるから、そういう風にベン図を描くやろ。
するとV_1またはV_2またはV_3は
(左上の三日月)+V_2+(右上の三日月)
やけど三日月のところはS-Tやろ
だから
(S-T)+S+(S-T)=3S-2T

とわかりました。

(4)
20181101042126d0d.jpg
Sの体積は半径rの球と半径rで高さ1の円柱の和で簡単ですね。
S=4/3πr^3+πr^2

TについてはV_1とV_2の共通部分やから、またそれぞれの断面を考えてその共通部分を考えたらええな。
この場合はz=sとかで切ればええやろな。
そしたら図のようになるやろ。
1辺が√(r^2-s^2)の正方形と半径√(r^2-s^2)の円の3/4の和やな。
(1+3π/4)(r^2-s^2)
と言うことで断面積が出るから、それを-r≦s≦rで積分すればええねん。


2018110104212865c.jpg

それで
T=∫(-r,r)(1+3π/4)(r^2-s^2)ds
これを計算して
(π+4/3)r^3

だからVの体積は
3S-2T=(2π-8/3)r^3+3πr^2


これは東大の空間図形の体積の問題の解き方によく使う考え方が勉強できてええ問題やな。

東大だけじゃなくても役立つと思うわ、

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